1.経 過
  これまで当組合では、循環型社会の構築に向けてバイオマスの利活用について、いろいろと検討を行ってまいりました。その検討の過程において、BDF製造に着目し、事業を進めることといたしました。
 また、組合構成市町の関係団体の代表者や識見者で組織する「ごみ減量化等対策懇談会」(現:ごみ減量化等推進懇談会)において、排出方法等についての意見をいただき、平成17年4月1日から収集を開始いたしました。
 排出方法は、油こし器で天かす等を取り除いてから油がもともと入っていたプラスチックのボトルやペットボトルに移しかえ、もやせるごみの収集日にステーションに排出します。
 収集は、もやせるごみ収集車のサイドスペースの箱を利用し、もやせるごみの収集と同時に行うことから、収集経費の増額はありません。
 BDF製造設備は平成17年9月に本格稼働し、平成24年に設備の更新を行い、導入当初よりも質の良いBDFを製造することが可能となりました。
2.廃食用油の収集状況
(1)廃食用油の排出
 各ご家庭で使用した食用油を、油こし器で天かすなどを取り除いた後、ペットボトルに移し、もやせるごみの収集日にごみステーションへ排出します。
油こし器で天かす等を充分に取り除いてから、ペットボトル等に移します。   廃食用油はもやせるごみの日にステーションに出します。(各ご家庭にて)
廃食用油はもやせるごみと一緒に収集します。
廃食用油はごみ収集車の側面の箱に積込みます。
 
(2)収集拠点
 収集拠点はもやせるごみ収集所とし、週2回もやせるごみの日に収集を行っています。
平成29年3月31日現在
市 町
人口(人)
世帯(戸)
収集所(箇所)
東根市   47,559   16,995  637
村山市   25,000    8,233  200
天童市   62,034   21,618  590
河北町   19,130    6,191  187
合 計

  153,723

  53,037 1,614

(3)収集体制と経費
 収集に費用が発生しないように特別な体制を編成せず、もやせるごみの収集とあわせて収集を行っています。収集方法については、排出されたペットボトルをごみ収集車の側面に取り付けた箱に積んで運搬します。
 もやせるごみの収集体制が、すべての地域において週2回の収集であること、効率の良い区域分けを行っていることから、偏りのない安定した収集が確保されています。
 
(4)収集量の推移
     一世帯あたりの年間収集量(平成28年度)
       東根市 0.57 L   村山市 0.70 L   全域平均  0.70 L
       天童市 0.73 L   河北町 0.94 L
 
3.BDFの製造の状況
(1)製造体制
 BDF製造にあたっては、人員の増加は行わず、し尿処理を担当する第一施設係が担当し、通常の業務と兼務しながら対応しています。(製造に要する時間:約8〜9時間)
 
(2)副生成物の処理
 当組合は敷地内にごみ焼却処理施設、粗大ごみ処理施設、リサイクルセンター、し尿処理施設、最終処分場が併設しており、すべての一般廃棄物を一箇所で処理できる全国的にもめずらしい施設です。その特徴を活かし、廃食用油の容器や副生成物であるグリセリン等の残渣物については、隣接するごみ焼却処理施設で焼却処分しており、BDF製造から発生する全ての廃棄物は、経費をかけることなく組合の施設で適正に処理されています。
 
(3)BDF製造フロー

* 写真で見るBDFの製造 *
   
 
一次ろ過

収集した廃食用油は、ドラム缶の上部に設置したろ布でこし、前処理を行います。



※ろ布でこす前の廃食用油。
 夾雑物が沈殿しています。
 
投入・脱水処理

前処理が終了した廃食用油を、1回の製造で使用する200Lが確保された段階で反応釜に投入し、加熱して廃食用油に含まれる水分を除去(脱水)します。

投入量については、装置が自動的に計量します。
 
薬品供給

アルカリ触媒溶解装置にメタノールと水酸化ナトリウムを投入後、自動的に溶解し、反応釜に薬品を供給します。
 
メチルエステル化

溶解させた薬品を反応釜にポンプで移送し、メチルエステル反応させることにより、BDFとグリセリンが生成されます。

ここで、食用油からBDFに変わります。

グリセリンを沈殿させるため、一定時間静置します。
 
グリセリン分離

静置後BDFとグリセリンが分離したものから、副生成物であるグリセリンのみ自動で排出されます。

排出されたグリセリンは、ごみ焼却処理施設の助燃剤として焼却処理しています。
 
 二次精製(減圧蒸留)

純度の高いBDFを取り出すため、高温で蒸留します。反応釜を真空ポンプで減圧することにより、沸点温度が下がる性質を利用した減圧蒸留方式を採用しています。
精製されたBDFはタンクに回収された後、自動的にポンプで容器(ドラム缶)へ移送されます。

蒸留が終了すると、反応釜に残った残渣物は、バッファタンクに自動で排出されます。
 
二次ろ過

製造されたBDFを、フィルターに通し、二次ろ過を行います。


※ろ過した後のBDF。
 
供給

製造したBDFは、し尿収集車に使用します。
 
(4)BDFの製造量の推移
 
4.BDFの製造に要する経費

(1)施設概要

  着工 平成17年4月 (ただし設備は7月)
  竣工 平成17年9月
  設備更新 平成24年6月
  処理能力 200L/8〜9h
  処理方式 バッチ式(アルカリ触媒、減圧蒸留方式(乾式))
  建築面積 39.7 u
  設計・施工 機械設備: 株式会社エムエスデー
  設備更新費用 12,149,130円
 
(2)BDFの製造に要する経費(平成28年)

廃食用油年間処理量  35,890L
BDF年間製造量     18,286L…@

項  目 費  用(消費税は含まない) 備考(使用量等)
材料費のみ 検査費用を含む 人件費を含む
苛性ソーダ
29,868 円 29,868 円 29,868 円 240.5kg
メタノール
309,642 円 309,642 円 309,642 円 4,843L
流動点降下剤
25,415 円 25,415 円 25,415 円 22.2L
電気料金
226,743 円 226,743 円 226,743 円 12,125.3kwh
雑費
283,732 円 283,732 円 283,732 円 消耗品類
修繕費
1,298,808 円 1,298,808 円 1,298,808 円 オーバーホール等
検査委託料
398,412 円 398,412 円 作業環境検査
人件費
2,546,985 円 1,337時間
合計…A
2,174,208 円 2,572,620 円 5,119,605 円  
BDF生成量1Lあたり
118.9 円 140.7 円 280.0 円 A÷@

(参考)平成28年度にクリーンピア共立で購入した軽油の平均単価 78.2円(軽油引取税32.1円含む)
 
5.BDF使用車両の燃費(平成28年度実績)
※BDF使用車両は、特別な改造等をしておらず、純正車両をほぼそのまま使用しています。

し尿収集車・・・3.5kL積載車


車両番号

燃費

1-001

4.25 km/ L

1-008

4.06 km/ L

1-012

4.24 km/ L

1-017

4.69 km/ L

平 均

4.31 km/ L

(平成28年度)
(使用環境等)
・し尿収集車は、走行時だけでなく、し尿吸引時
 もエンジンを稼働させます。
・BDF使用車両は、特別な改造等をしておらず、
 純正車両をほぼそのまま使用しています。
(参考) 軽油使用車の燃費

車両番号

燃費

1-102

4.74 km/ L

(平成28年度)


BDF使用車シンボルマーク

 
BDF成分分析結果
   BDF成分分析結果とJIS規格との比較表(PDF:233KB)



 平成19年6月5日に行われました、“もったいない”やまがたECOチャレンジキャンペーンキックオフイベントにて当組合が「環境保全推進賞 選考委員特別賞」を受賞いたしました。
 今回の表彰は、当組合で平成17年度より開始しました、廃食用油の収集及び再燃料化(BDF製造)更にBDFの使用において、これらの活動が環境保全の推進に大きく貢献していると評価されたものです。
 今回の賞を受賞できたことは、管内住民のみなさまのご協力の賜物であると、職員一同感謝しております。更に、今後におきましても当組合の廃棄物行政になお一層のご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。


  平成19年6月5日
ホテル メトロポリタンにて




 平成17年9月14日午前10時より、クリーンピア共立内BDF施設前におきまして式典が行われました。式典には、管理者はじめ来賓者が出席しテープカット及びBDF車両の出発式を執り行いました。また多数のマスコミ各社が取材に駆けつけました。


  式典途中に東根市立神町小学校の社会科見学も加わり、管理者から直接説明を受ける場面もあり生徒にもいい経験になったのではないでしょうか。

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